昨日、テレビで見たけど、名波の引退試合は面白かった。
特に、後半ロスタイムに名波が見事なボレーシュートを決めて、敵味方問わず選手がみんな名波に駆け寄って、祝福の輪ができて、その輪が自然と名波の胴上げになった瞬間は、ジーンと来た。
サッカーの神様も粋な筋書きを書きよると思った。
試合にはワッキーとか矢部っちとか芸能人も多く参加していて、現役Jリーガーや元代表選手に混じってプレイしていた。
これがビックリするくらい上手で、いや、上手というより、違和感無く試合に溶け込んでいて、それぞれに見せ場があった。
長い間プロの一線で活躍してきた選手と一緒にプレイすると、素人でも質の高い局面にあっさりと出会える、ということだろうか。
特に、サッカー経験のない土田からキラーパスを引き出すなど、ゲームメイキングに長けた中田ヒデの能力には舌を巻いた。
もちろん、試合そのものは果てしなくユルかった。
審判はほとんど笛を吹く必要が無く、芸人のおふざけも見られた。
本来なら、こんな真剣勝負とはほど遠い、花試合の最たるイベントはハナ持ちならない、唾棄すべき対象だった。
だが、見ていて本当に楽しかった。
サッカーてやっぱり面白いじゃん。オレもボール蹴りて~。
と思わせる試合だった。
そう思ったのは、集まったメンツが豪華だったせいもあるだろう。
名波引退の花道という、美しい大儀のせいもあるだろう。
でも、一番ボクの心を動かしたのは、みんなサッカーが好きなんだ、という連帯感だったように思う。
ワッキーもミスチルも、カズもゴンも、レポーターのお姉さんも、そしてお客さんも、みんながそれぞれのスタンスでサッカーが好き。
それだけの理由で集まった人たち。
報道によると、この試合を開催するにあたり、名波が自ら選手に声をかけ、スポンサーを回って営業活動をしたという。
サッカー好きの一人の男が、サッカー好きの仲間を誘い、サッカー好きの客がそれを見に行く。
誰も何も押し付けてはいない、また押し付けられてもいない。
その単純な図式にこそボクは感動した。
オールスターゲームを例に挙げるまでも無く、現在、ファンの支持が低下しているゲームは少なからずある。
名波の引退試合がもたらした意義は、一人の選手の引退試合にとどまらず、以外に大きな示唆に富んでいるような気がしてならない。
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