J1第35節 名古屋-G大阪
10/25 豊田スタジアム
名古屋 0-2 G大阪
大河ドラマ『赤鯱燃ゆ』
~離反の槍 雪辱の陣 ~
名古屋赤鯱軍が「日ノ本蹴球組合一部」にて、残留の旗の下に戦う仕儀と相成ってはや数ヶ月。
吹田健脚隊とは前回の合戦にて見苦しき敗北を喫し、民衆の士気は地に落ちたり。
本日の雪辱の再戦、赤鯱軍は首級を上げんと稲垣祥兵衛を筆頭に、若武者・木村勇大之介らは燃ゆる闘志を胸に戦場へ馳せ参じた。
だが、敵陣にはかつて尾張の地を出奔し、吹田に与した中谷進之介なる猛者が立ちはだかる。
こやつ、健脚隊の鉄壁の守りを築き上げ、赤鯱軍の攻撃をことごとく跳ね返した。
木村勇大之介とその相棒、山岸祐十郎が幾度も敵陣に斬り込み、鋭い槍を突き立てんとしたも、中谷進之介の策に阻まれついに得点の功を挙げられず。
守りの要、門番・武田洋平左右衛門は、健脚隊の猛攻を幾度も防ぎ、尾張の誇りを守り抜かんとした。
されど南蛮の傭兵ジェバーリが神出鬼没なる動きを見せ、赤鯱守備陣の眼を惑わす。
そして一瞬の隙を突かれ、ついに赤鯱軍の城門は破られた。
その後も名古屋赤鯱軍に反撃の力はなく、刀は折れ矢は尽き、あえなく敗戦。
吹田健脚隊への雪辱はならず、残留の夢もまた遠のいたのであった。
不甲斐ない負け戦に尾張の民が嘆きに暮れる中、遠く下総の国より吉報が届く。
柏太陽族が、横浜蹴球倶楽部を討ち破ったとの報せなり!
他力本願寺の調略により、赤鯱軍は残留への駒を一つ進めることができたのだ。
尾張の民は柏太陽族と他力本願寺に感謝の念を抱き、しばし安堵の息をつく。
されど、戦国の世は無常なり。
次なる合戦の相手は、皮肉にもこの柏太陽族なのだ。
今日の他力は明日の敵。
赤鯱軍の将兵は感謝の杯を揚げる間もなく、再び刀を手にせねばならぬ。
果たして、名古屋赤鯱軍は天下統一を争う柏太陽族を打ち破れるのか?
それとも、戦国の荒波に飲まれ、溺れるのか?
それとも、横浜蹴球倶楽部が敗れ最後まで他力本願寺のお世話になるのか?
戦国の世の物語は、未だ終わりを見せず――。
<つづく>
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まったく、シーズン最後まで楽しませてくれるぜハセケンは!


























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