映画『レッド・ツェッペリン:ビカミング』後追い世代ワイ感涙レビュー~ジョン・ボーナムの爆撃ドラムが物理的に胸を打つ!ラストは4人の永遠の絆に涙すべし!~
映画『レッド・ツェッペリン:ビカミング』
公開初日、イオンシネマとしては日本国内で唯一のIMAXデジタルシアターを誇るイオンシネマ大高にて鑑賞!!

■初の公認ドキュメントが描く”ビカミング”の瞬間
80年代ハードロックに夢中になり、そこから遡る形でレッド・ツェッペリンに辿り着いた後追い世代の僕にとって、このドキュメンタリー映画は伝説の源流に触れる、いわば「原点回帰の旅」と言える作品でした。
本作は、バンドのキャリア全体ではなく、結成からセカンド・アルバム発表までの「初期衝動」、すなわちジミー・ペイジ、ロバート・プラント、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムという稀代の才能が絡み合い、想像を絶する化学反応を起こした"ビカミング"(誕生)の瞬間に焦点を当てています。
初の公認ドキュメンタリーとして、4人の音楽的ルーツと才能が融合していく過程を、本人たちの言葉で追体験できるのは至福の体験と言えるでしょう。
■巧みな編集とメンバーの言葉で紡ぐ出色の演出
ジミー・ペイジがメディアを厳しく遠ざけていたため、ツェッペリンのキャリアを通じて映像資料が少ないことは定説ですが、本作はそのハンデを逆手に取っています。
残された貴重なライブ映像、未公開のアーカイブ動画、写真、資料を駆使したモンタージュ的な編集は目を見張るものがあり、バンドを取り巻く60年代後半から70年代初頭の時代の空気感を立体的に浮かび上がらせています。
ナレーションを一切排し、メンバー自身の言葉だけで物語を紡ぐスタイルも、彼らの存在を神秘的かつ生々しく演出する最高の選択でした。
■IMAXで体験する「21世紀のツェッペリン体験」
そして、この映画をIMAXという現代技術を駆使した(料金的にも)最高の鑑賞設備で体験できることは特筆に値します。
ツェッペリンのライブ演奏を収めた映像は画質、音声ともにクリアかつダイナミックに修復され、バンドの代名詞である岩石を投げるような強烈なリズム、とりわけジョン・ボーナムの爆撃のようなドラミングが、肌を震わせ、身体の芯まで響き渡ります。
演奏シーンは1曲まるごと収録されているものも多く、当時のライブ会場にいるような、まさに「21世紀のツェッペリン体験」というべき没入感が得られます。
↓IMAX特典のポスターとレコード型のウチワとパンフレット。

-------ここからちょっとネタバレ-------
■胸を熱くする、4人の永遠の絆
映画の終盤、亡きジョン・ボーナムがメンバーそれぞれに語りかける生前の未公開ボイスが流れ、それを穏やかな笑顔で聞くペイジ、プラント、ジョーンズの姿には胸が熱くなりました。
一人のメンバーを失っても、4人の間に生まれたグルーヴと絆は永遠に生き続けている。
そう、この4人こそがレッド・ツェッペリン。
ジョン・ボーナムを失ったことで解散を選択した理由を納得させるこの場面は、本作における最も感動的な瞬間として観る者の心に深く刻まれるでしょう。
-------ネタバレ終わり-------
■劇場での追体験という「2025年の奇跡」
この濃密な「序章」を鑑賞した今、この物語がこのまま終わってしまうのは惜しすぎます。
この作品を前編として、バンドの狂熱の時代と悲劇的な解散、そしてその後のメンバーの想いが描かれる後編を期待せずにはいられません。
レッド・ツェッペリンという伝説がいかにして誕生し、ロックをどう再定義したのか。
その旅の記録は、全ての音楽ファンにとって必見と言えるでしょう。
ていうか、今時こんなニッチなロック映画がシネコン系の一般公開で観られること自体が奇跡です。
伝説のバンドを劇場で追体験する、2025年の特別なイベント映画として、ぜひ大スクリーンでご覧になることをおすすめします。
・・・たぶん上映期間めちゃ短い気がします。
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